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zoom RSS 漢字メモ : 深セン

<<   作成日時 : 2005/09/14 22:04   >>

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香港に接する中国本土の都市「深圳」。この「土へんに川」という文字は日本では「セン」と読まれているが、この字音の正体は何か。記憶にある限り、1980年代の始めには、「深セン経済特区」という読み方が行なわれていたと思う。見慣れない字なので、あっさり「土」を無視して「川」の音で読んでしまっただけではないかと疑われる。少なくとも、今のところ、有力な反証には出会っていない。

とりあえず「セン」はいいかげんなものであるとして、では、「正しい」音があるのだろうか。

この文字は、現代中国語では、「圳(甽)zhèn 〈方〉溝。用水路。」(小学館中日辞典)となっている。辞書によって大きな違いはない。広東語の音は zan3 だが、これと全く同音になるのは振、鎭、震など。では、「圳」もシン或いはチンという音なのだろうか。「方言」というところが何となく曲者である。

大漢和では、この字の音は、「シウ、ジユ 市流切 平尤 ch'ou2」「シン 子鴆切 去沁」「シユン」の三項目に分けてあるが、意味はどれも「みぞ」であり、「甽に同じ」となっている。意味からして、現代中国語の辞書に載っているのと同じ文字ではあるようだが、音のほうは、直接のつながりがないように見える。「シン」という音があるが、「沁韻」なので「振」などのシンとは違うようだ。

JIS 第三・第四水準の関連資料では、人名として「シュウ」と読んだ例があげられていた。

また、「異体字」とされている「甽」は、音は「ケン」などであり、現代中国語の普通話では quan3 となっている。

大漢和が最初にあげている「市流切」の ch'ou2 という音が、地名の「深圳」にも使われていて、「シェンチョウ」などと読まれているならば、日本漢字音としては「シュウ」が正しい、などと言ってみる意味もあるかもしれないが、実際には「シェンチェン」(広東語ではサムチャン)である。

結局、おそらく慣用音であるが定着している「セン」を駆逐できるようなわかりやすい「決定版」の音はなく、だからこそ「セン」が定着してしまったとも言える。あとは、「現代的唐音」とでもいうべき「チェン」というところか。

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