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『プロの流儀』という本の新聞広告で、サブタイトルに「なぜ彼らはスーパースター足りえるのか」とあった。「足りえる」は TYPO かと思って調べてみたが、実際このままで表紙にも印刷されているようだ。 この文字遣いは、検索すると、「証拠足りえる」「国民足りえる」などたくさんあり、「足り得る」「足りうる」と合わせると十万を超えるようだ。「されるに足りえる」などというややこしいのもあるが、もともとこのあたりから「足」の字がひっぱられてきたのかもしれない。今までにも結構見ていたのかもしれないが、ネット上で見るかぎり、誤変換としか思わないだろう。しかし、本のサブタイトルにもなっているからには、これが正しい書き方と考える人が、相当数いると思われる。 「〜たり得る」の「たり」は「〜たるべからず」などと同様、助動詞のタリ(トアリの約とされる)だと思うが、「たりうる/たりえる」の形で辞書の見出しに立っていることはないので、「正しい書き方はこれ」と簡単に示すことができない。また、この助動詞は、現代語の枠内では、きまった言い回しにしかでてこず、活用をそなえた助動詞として把握されていない。そこへもってきて、「たり得る」が「条件を満たす」と近い文脈で使われるために、この表記に違和感をもたない人が多いのだろうか。 助動詞「たり」はかなで書かれるので、これを見ても、「足り」が誤りであるという認識に至らないということもあるだろう。助動詞の「たり」をどうしても漢字で書きたいなら、「為り」と書くべきか。 「足りえる」はあくまで「足りる」という動詞からできている言葉で、「たり得る」とは関係がないと主張することも可能かもしれないが、それにしては、体言のあとに密着しているところが不自然だ。 |
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「〜たりえる」を「足りえる」と書く例は、半年ぐらい前の朝日新聞書評欄で唐沢俊一がつかってるのを見たことがあります。 |
松虫 2006/05/31 11:25 |
へえー、唐沢俊一ぐらいの世代の人でもですかー。もし指摘されたとしたら「あっ」と言って直すか、「なにが問題なので?」となるか、そのあたりが気になりますね。 |
風鈴’ 2006/05/31 18:10 |
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