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ラテン語・その形と心 三省堂 2005 ISBN : 4385362521 同じ著者による『ラテン語とギリシア語』 (三省堂、1998) はエッセイ的なものだったので、これもタイトルからするとその続編のエッセイかと思ってしまうが、あけてびっくり、実はこの本はラテン語の文法書。 ラテン語の言語学的位置についての説明、非常にコンパクトな文学史のあとは、文字、発音、アクセントに始まり、動詞や名詞の活用、時制、態など、一般的な文法書としての項目が最後まで続く。したがって、気軽に通読できるエッセイを求めている人には、あまりおすすめできない。 動詞の変化の4タイプを一度に並べるなど、俯瞰的なスタイルをとっているが、一方で辞書を引くときに必要な知識はくわしく説明されている。全体として、近代ヨーロッパの言語のどれかに、すでに本格的に取り組んでいて、そろそろラテン語を避けて通れない、というより、かなりラテン語の知識をも得てしまっている人が、それらの知識を整理するための本という感じがする。今さら、ヨーロッパの中学生みたいな勉強のしかたはしたくない人向けの、大人の本。 練習問題はないが、文例が豊富にあり、とくに有名なものや面白いものが選ばれている。現代語の中によく出てくる成句のリストは振り仮名つき。巻末には語彙集がついている。 エッセイではないと言ったが、エッセイ的な部分は多分にあり、ところどころにローマの食文化などについてのコラムがあったり、トリビア的な話題が挿入されていたりする。このトリビアがどれも一筋縄ではいかないもので、たとえば、Caesar という cognomen の由来がローマ時代にすでにわからなくなっており、「お腹を切って生まれた」からだとこじつけられていたことについて、 これが現代の医学でいう英 Caesarian section, ドイツ Kaiser-schnitt, フランス operation césarienne 「帝王切開」になっていることを思えば,カエサルの力は武力ばかりではないことがよくわかる。 と、さらりと書いてあるが、「帝王切開」という用語については、なにかややこしい話があったはず。しかし、あまり真剣に調べたことがなかったので、この際調べてみたら、ややこしかった。ちょっとここに続けて書くのはややこしいので、別のエントリで書くことにする。 ラテン語・その形と心
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