風鈴’別館

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zoom RSS 漢字メモ : 狽(補足)

<<   作成日時 : 2006/10/30 04:40   >>

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」はどうやら音をあらわすために作られた文字のようで、「狽という動物」の話はこじつけの疑いが濃厚だが、そうだとしても、のちにはこの話を踏まえた表現がいろいろ出てくる。麒麟や鳳凰も想像上のものだが、「狽」は、ただひとつの文字から生まれた、まったく実体のない……、しかし、想像上の動物の「実体」というのも何か変である。

怪異譚を集めた清代の『続子不語』に「狼軍師」という話がある。

銭という姓の人が、山麓で狼の群れに囲まれ、道端にあった、たきぎの山にのぼって難を避けた。狼は、たきぎの山にのぼれなかったが、そのうち、どこからか一匹の獣をうやうやしくかついで来た。その獣がひそひそと入れ知恵したので、狼たちはたきぎを下から引き抜きはじめた。山がくずれそうになったので、銭は助けてくれと叫んだ。
きこりたちがやってきて、狼はちりぢりに逃げ去り、かつがれて来た獣だけが残った……。

その獣は、狼に似ているが、狼ではなく、「圓睛短頸、長喙怒牙、後足長而軟、不能起立、聲若猿啼」と描写されている。この話では、獣の名はどこにも出ていないが、この獣こそ、「狽」ではないだろうか。狼がいなくなると動けないことや、後ろ足が長いことなどは、『酉陽雑俎』の「狽」の説明と合っているようだ。もとは紙の上から生まれた獣が、数百年のあいだに血と肉をそなえて、物語に登場するまでになったのかもしれない。その肉は、「烹而食之」(煮て食べてしまった)とあるが、どんな味だったかはわからない。

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