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zoom RSS 『OEDの日本語378』

<<   作成日時 : 2007/08/31 23:39   >>

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OEDの日本語378
東京成徳英語研究会 編著, 福田 陸太郎 監修
論創社  2004
ISBN : 4846005003


オックスフォード英語辞典(OED)の中で、日本語が語源とされている語について、一語に一項目を立てて解説する。OED2 の CD-ROM版の「語源」検索で Japanese と入れて出てくるのは 343 件だが、この本は過去の OED の版も含め、独自に検討して378件をとりだしたという。

項目ごとに執筆者が違い、方針はあまり統一されていない感じがする。とくに出典をあげずに面白いトリビアのようなことを書いている項目もあれば、緻密に参考文献を並べている項目もある。600ページ近い厚さの中の、かなりの部分が、OED の用例の引用とその翻訳なので、OED 自体が手近にある場合は、やや冗長に感じるかもしれない。しかし、ときには用例の出典とその著者についての突っ込んだ解説があり、自然と知日派の外国人たちの列伝となっているのが興味深い。

全体として美術や伝統文化に関する語が多い。とくに柔道に関する語は、日本語としてもあまり普通は聞かないような専門的な用語が入っている。当然だが、OED2 までの段階では、最近の英語のなかでよく見かける「オタク系」の用語などは入っていない。

以下、漠然と興味をひかれた項目について。

ginkgo (銀杏)の奇妙な綴りについては、ドイツの学者ケンペルの書き間違いとも言われているそうだが、ケンペルの出身地では、ginkgo の綴りでも「ギンキョウ」のような発音になるという説が紹介されていた。

日本人にとっては意外なことに、「みかん」を意味する語になってしまった satsuma については、かなりのページ数がさかれている。OED 自体では、この語の説明はあまり長くはなく、具体的にどの果物か、なぜ satsuma というのか、などについて、くわしいことは書いていない。「ランダムハウス英和辞典第二版」が「ウンシュウミカン。 satsuma orange ともいう。当初、薩摩(鹿児島)から苗木が出荷されたためといわれる」と書いているのが明快であると評されている。

ramanas という植物名は、ハマナスのことで、OED は日本語の「らんまん」ではないか、としているのだが、h と r を間違えたという説明のほうが説得力がありそうだ。

rumaki というのは料理の名前で、「はるまき」か、となっているが、これも日本人は首をかしげそうな話。イメージ検索で rumaki を調べてみると、たしかに、何かを「巻いたもの」ではあるようだが、春巻とはあまり似ていない。

さらに mebos なるものがあり、これは乾燥した果物を原料とする一種の菓子らしいが、OED は、日本語の「ウメボシ」がアフリカーンス語を経由して入ったのだろうとしている。イメージ検索すると、普通の干しあんずのようなものや、干し柿あるいはのし梅に似ていなくもないものが出てくる。なお、mebos を google で検索すると、なぜか「もしかしてteebop」と言われる。

kirin が 「陶磁器などの美術品の図柄」になっている動物として説明されているのも、「美術への関心」に重点がおかれている例であろう。そういえばこの単語は、アメリカの小説の中に何の説明もなく出てきたことがあったが、それは冷蔵庫で冷えているらしかった。

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